息子へ（2015年）

君はこの春　進学と共に　育った家を出て　一人で暮らし始めますね。

これから想像もしていないような　様々な経験をすることでしょう。
楽しいこともあれば　嬉しいことも　苦しいことも　時には一人ではどうしようもないこともあるでしょう。　
その経験が糧となり　あなたを今まで以上に大きくしていきます。


18年間　生活した　家は　家族は　どうでしたか？


結婚して子供が出来て・・・　というのが普通なのでしょうが　私は「人間」を育てるということに　責任を持つ覚悟が出来ず　子供が欲しかったあなたの母親とは相当な話し合いをした上で　あなたを授かることにしました。
あなたが生まれても　私は私の生活を乱されることを嫌い　あなたとあなたの母親にとっては　決して良い父親ではなかったでしょう。

18年の中で　私があなたにしてあげられたことは　唯一　あなたの「名前」を付けたことです。　
あなたが生まれたときに　考えて　考えて　考えて　一生の中でこれほど考える事はないだろうというくらい　考え抜いて　名前を付けました。


それだけは　私が誇れる　「あなたにしてあげられたこと」　です。


子供を持つということは　楽しいことばかりではありません。　心配な事ばかりですし　当然お金も自由にはならなくなります。　気が気でないことも沢山ありましたし　これからもそれは続くでしょう。

あなたは　男の子　ですから　地元を離れてしまえば滅多に　会うこともないでしょうし　会ってもそれほどの会話もないでしょう。

あなたは　あなた自身が決めた道を　これから進みます。　
あなたを認めてくれる人もいれば　そうではない人もいます。　仲間も出来れば　反目する関係も出来ます。
喜びや楽しみも数多くありますが　悲しみや苦しみ　そして　悔しさも　沢山経験するでしょう。

あなたには　幼少のころから　「強くなれ」　と伝えてきました。それは　腕っ節が強いとか　習っていた武道で強くなれということではなく　「人」　として強くなって欲しいという願いです。


男に生まれたからには男らしく生きて欲しい。

そんな願いを込めて　あなたの名前を付けました。

いかなる時でも　名前のように　「男らしく」「強く」　生きてください。

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