人魚の眠る家(2018年 松竹) [哀]
娘を殺したのは 私でしょうか。
篠原涼子 西島秀俊 坂口健太郎 川栄李奈 山口紗弥加 田中哲司
斉木しげる 大倉孝二 駿河太郎 ミスターちん 遠藤雄弥 利重剛
稲垣来泉 荒木飛翔 荒川梨杏 斎藤汰鷹 田中泯 松坂慶子 他
幼い我が娘の身体は温かく 眠っているようにしか見えない・・・
が 心臓は動いているものの 脳は・・・ いわゆる脳死。
我が子がそのような状態になってしまったとき 母は・・・父は・・・
夫の浮気が原因で別居状態だった夫婦。娘の私立小学校受験が終われば離婚することになっていた。受験日に円満な夫婦生活を演じるため 予行演習を行っていた時 事故の知らせが入る。
妻の母や妹 その子供たちとプールに出掛けていた娘が水難事故に遭い病院に運ばれたと・・・
プールの排水溝から指が抜けなくなり 溺れてしまった娘は 脳死状態であることを告げられ 臓器提供の意思を問われる。
一度は臓器提供を決める夫婦だが 一瞬動いた娘の手を感じたとき 生きていることを実感し 延命措置へと意思変更する。
そこから 周囲や家族を巻き込んだ 妻と夫の 闘い 葛藤 が始まる。
IT機器メーカーの社長でもある夫は 社内で研究開発を行っているコントロールシステムで 娘の身体に微量の電流を流し 脊髄に信号を送り身体を動かすことを勧める。技術者の力を借り 動かないはずの娘の身体は動き 健康的に回復するが 意識はなく 脳が死んだ状態であることに変わりはない。
娘は生きていると 体を動かし 外へ連れ出す母。しかし 父は 娘の意思とは関係なく周囲の操作で体を動かすことに疑問を持ち始めていた。
また 母の様子が次第に変わっていく様を 周囲や家族は感じ始めていた・・・
そして とうとう母は壊れてしまう・・・ 発覚する事故の真実・・・
・・・旅立ちの時 現れた娘に触れた母は 決断する・・・
私は免許証の裏面に臓器提供の意思を表示しています。しかしそれは私自身の判断であり 実際に脳死状態となったとき 周囲がどう思い どうしたいかはわかりません。私の身近にも拡張型心筋症で募金を募り 海外で移植を受けた子供さんがいます。子供さんの回復は本当に喜ばしく その陰には無念を乗り越えて臓器を提供してくれた方がいます。
が 募金活動には表も裏もありました。
休職し 身を削って 頭を下げて 駆け回る両親・・・
募金活動では涙を流しながら訴えているも 自身の裕福な生活は崩さず 持ち出しもしない祖母・・・
臓器を提供する者 藁にも縋る思いで提供を待つ者・・・
それぞれの出す答えに 正しいも 間違いも ないように思います。
(敬称略)
コメント 0