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人間失格(2010年 角川映画) [哀]

小説家 太宰治 の代表作であり 最後の作品。
太宰はこの作品を脱稿した一ヵ月後に 山崎富栄と 玉川上水で入水自殺した。

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津軽では有名な資産家で 貴族議員の家に生まれた 大庭葉蔵(生田斗真/少年時代:岡山智樹) は周囲との関係を築くため 本来の自分を隠し 滑稽さを演出して笑いを取る 道化を演じる幼少期だった。
しかしある時 クラスメイトの 竹一(柄本佑) にそれを見抜かれてしまう。竹一は葉蔵のことを 将来女にモテて 凄い絵描きになると予言する。

高等学校進学のために上京した葉蔵は 画塾で知り合った6歳上の 堀木正雄(伊勢谷友介) と親しくなる。遊び人の堀木は 酒 煙草 女 を葉蔵に教え 葉蔵は溺れていく・・・
竹一の予言通り 下宿先の娘 礼子(坂井真紀) や カフェの女給 常子(寺島しのぶ) など女に不自由することはなかった。
そして 常子に同じ感覚である寂しさを抱いた葉蔵は 鎌倉の海で心中を図るが 自分だけが生き残ってしまう・・・

人間失格③.jpg

さらに歪んだ寂しさを募らせた葉蔵は 偶然出会った 中原中也(森田剛) に誘われ再び鎌倉へ向かう。そこで知り合った子持ちの記者 武田静子(小池栄子) と彼女のアパートで暮らすようになる・・・が静子と子供の幸せを壊してしまうことを恐れた葉蔵はアパートを出て 通っていたバーの2階で寝泊りするようになる。

その後 向かいのタバコ屋で娘の 良子(石原さとみ) と知り合い 純粋無垢さに惹かれて結婚。葉蔵は次第に人間らしさを取り戻していくが 人を疑うことを知らない良子は 出入りの商人に犯されてしまう。

人間失格②.jpg

あまりの絶望に 葉蔵は 酒 睡眠薬 そして モルヒネ中毒へと陥ってしまい ツケが払えなくなった薬局の奥さん 寿(室井滋) とも関係を持ってしまう。

自分の罪の重さに耐え切れなくなった葉蔵は 勘当されていた実家に金を無心する。そして引受人の 平目(石橋蓮司) と 堀木に連れられ 脳病院へ入院させられる。
狂人というレッテルを貼られた葉蔵は 自分は「人間失格」だと確信する。

数ヶ月の入院生活後 故郷に引き取られた葉蔵は 廃人同然となり 老女 鉄(三田佳子) と関係を持ち ただ時間が過ぎていくだけが 今まで阿鼻叫喚で生きてきた所謂「人間」の世界に於いて たった一つの真理らしく思われたのだと語る・・・

                                       (敬称略)
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