歩いても歩いても(2008年 シネカノン) [喜]
頑固で素直さもないが 内心では妻に感謝し 子供たちを尊重している 開業医を引退した 父 横山恭平(原田芳雄)。
夫に尽くし 他のことでも自らを抑えているようだが 確固たる信念をもち 強く家族を支えてきた妻 横山とし子(樹木希林)。
15年前に他界した兄と比較されながら育ち 父親の恭平ともソリが合わず 失業中ということも重なって 実家に居心地の悪さを抱いているが 実は父親を尊敬している 横山良多(阿部寛)。
良多と再婚したばかりの 横山ゆかり(夏川結衣) と 連れ子の あつし(田中祥平)。
兄の命日に帰省するも 最初は姉の 片岡ちなみ(YOU) 片岡信夫(高橋和也) 夫婦とその子供たちがいて 実家を改装しての二世帯同居を相談している。
が とし子は良多が戻ってきにくくなると 気が進まない・・・
他にも 30年以上も前から知っていて黙っていた 恭平の浮気を とし子が遠まわしにバラしたり ゆかりに良多との子供はどうするのか など妻であり女である心理を絶妙な言い回しや 嫌味で話している。
そんな一泊二日の帰省中 老いていく両親と その姿に心の壁が少しずつ崩れていく良多。
7年後・・・恭子もとし子も亡くなり 良多一家は海辺の墓地にいた。 ゆかり と 高校生になった あつし と そして幼い女の子が一緒に・・・
含んで 思わせ振りで いい顔して 遠まわしで 家族の情景を内面から深く捉え 何でもない会話や日常を 悲哀を込めて絶妙な間合いと空気感で表現しています。
(敬称略)
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