転々（2007年 スタイルジャム）

物語の設定が　「らしい・・・？」　であり　はっきりとした事実が少ないのですが　登場人物もそのことを深くは考えず　かといって　ちゃらんぽらんな訳でもなく・・・



大学8回生の　竹村文哉（オダギリジョー）　は幼い頃　親に捨てられたらしい・・・　そして今　借金取り　福原愛一郎（三浦友和）　に押しかけられている。借金といっても　84万円　なので　何とかなるようにも感じるが　文哉はどうにもならない。　そんな時　愛一郎　が不思議な提案を持ちかける。
散歩に付き合えば　100万円　をくれるとういう　極めてうさんくさい仕事？　だが　文哉は受けざるを得なかった。

昔ながらの商店街で　焼き鳥を食べ　よく分からないゼリーを食べ　有名ではなさそうな神社へ参り　文哉が生まれた家の跡地を訪ねたり　散歩の途中で　「らしい・・・？」　話が随所に出てきますが違和感も無く　恐持ての借金取りと　首が回らない大学生（しかも８回生）　という雰囲気ではなく　何となく　ほんわか　した「お散歩」という感じです。



愛一郎は　些細なことから妻を殴ってしまったらしく・・・　妻は死んでしまったらしい・・・　彼は妻との思い出の地を　散歩したかったらしい・・・　そして最後にカレーライスを食べて自首するために　霞ヶ関を目指している。

別進行で　愛一郎の妻が勤めているスーパーでは　無断欠勤続きの彼女を　友部（松重豊）　国松（若松了）　仙台（ふせえり）　が心配して　お見舞いに行こうとするのだが　次々とありえない邪魔が入り　結局は行けない。　コミカルな　とぼけたキャラクター３人の掛け合い＋本人役で出演の　岸辺一徳　が　三浦友和　オダギリジョー　という濃いキャラクターとの間で　良い役割を担っています。

以前に結婚式の夫婦役（そういう仕事もあるらしい・・・）で知り合った　麻紀子（小泉今日子）　の家で　麻紀子の姪らしい・・・　ふふみ（吉高由里子）　も加わって擬似家族として数日を過ごすことになる中で　吉高由里子　の天然キャラは　演技なのか素なのか・・・面白いです。



家族を知らない文哉には　擬似家族の中で　これまで感じたことのない感情が芽生えでいく・・・　ラストは散歩が終わり　１００万円を受け取るのですが　１万円が風で飛ばされ　拾って振り返ると　愛一郎は警視庁へ向かっている。自首するらしい・・・



終始とぼけた感じで　緊張感も無く　休日の午後に　だらだらと　楽しめました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（敬称略）

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